雨上がりの夜が好き

毎週日曜更新

4/28(映画・ゴーゴーカレー)

※日曜連載シリーズ3回目です

まず、メモ

ゴーゴーカレーのロースカツがめちゃくちゃ美味しい。感動して、1人で食ってたのに声出ちゃうくらいよかった。肉は薄めなんだけど衣も薄めでめちゃくちゃサクサクしている。ゴーゴーカレーってあんまり見かけないので入ったことがなかったんだけど今まであのロースカツカレーを食べてないのは損してたと思う。

 

・オモチャンが週5更新になったのとても嬉しい。娯楽の時間を全てオモチャンに費すようになりました。本当に素晴らしいです、感謝。

 

では、本文。

 

 濱口竜介監督の新作『悪は存在しない』を観ました。映画に対する苦手意識がある自分が、唯一全部観ようとしている監督が濱口竜介で、今回も公開後すぐに観に行きました。インタビューで監督が言っていたように今回の物語は、境界線の対岸に位置するとされるものは存外両立しているという話だったように思う。そのあり方は排他的ではなく、かといって共生とかでもなく、ただ混在しているという話。途中までは混在しているからこそ共生へ開かれているのだ、というメッセージにも見えた。だが最後の数分があまりに劇的だった。最後の数分は、こちら側とスクリーンの中の間で我々が勝手に共有していると思い込んでいた合理性が崩れ、映画の論理が突っ走っていくような印象を受けた。私が今までで一番分からなかった濱口映画は『不気味なものの肌に触れる』なんだけど、今回の作品もそれと同じか、それ以上に分からなかった。強いていうなら、今回の方が途中までで主題を捕まえられたと思っていた分困惑が大きかった(『不気味なもの』は初めから主題がぼんやりとしか分からず、最後でさらに困惑したので)。

 

 濱口映画について、濱口以外の映画をほぼ全く観ない私が語るのは非常に烏滸がましいのだけど、人と人との心の距離感というのは声のトーンや身体の位置取りに如実に現れるもので、逆に声のトーンや身体の位置取りを変えると心の距離感も変わってしまうということを非常に率直且つ素直に撮っていることが好きな理由だと思う。某商業映画の外側で起こった騒動はまさにそれを象徴していたし、『ハッピーアワー』『親密さ』ではこの部分をとても丁寧に扱っていた。また先ほど挙げた『不気味なものの肌に触れる』も、この過程で親密さが行き過ぎてしまうところを切り取ったものであると私は捉えている。

今週は以上!